高気圧酸素治療のご案内

松原徳洲会病院では、高気圧酸素治療を行っております。治療には、担当医の指示の下、臨床工学技士が担当しております。

高気圧酸素治療装置 BARA-MED (小池メディカル社)
内径762mm 全長2600mm×全幅1020mm×全高1460mm

  • 透明アクリル胴を採用することで、開放感のある空間を実現。
  • 緩やかな曲線加圧によって患者様の耳痛を軽減でき、より快適により安全な高気圧酸素治療を受けて頂くことができます

高気圧酸素治療の概要

高気圧酸素治療は、大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。
酸素は、私たちの生命活動にとって必要不可欠なものです。高い気圧環境の中で酸素を吸入すると、通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量に対して、10~20倍にまで酸素を体内に取り込む事ができます。体内で取り込まれた大量の酸素は、手足の先端まで行き渡りあらゆる低酸素状態の改善を図ります。血管新生や組織修復などに働きかけることから、創傷治癒に対しても促進効果を発揮します。また、一酸化炭素中毒を代表とした体内に蓄積された有毒ガスの洗い出しに対して促進的に働きます。当院では、100%酸素を使用し、治療装置内を2気圧まで加圧して治療を行います。

主な効果

  • 体内酸素量の増加により、生体内の循環障害・低酸素状態の改善効果
  • 酸素の抗菌作用を利用し、細菌の発育を阻害する抗菌効果
  • 生体内にできた気体を圧縮・再溶解することによる末梢循環の改善効果
  • 組織の腫れを軽減させる効果

高気圧酸素治療への適応

高気圧酸素治療は、以下のような様々な疾患に適応されております。治療効果については、個人差はありますが、治療を継続することでその効果は維持されます。
治療は通常1日1回です。治療回数は、適応疾患や患者様の症状によって担当医が判断します。
少ない場合は7回から10回、多いときは20回から30回程度になります。

適応疾患

  1. 減圧症又は空気塞栓
     ※当院では基本的に減圧症・空気塞栓に対する治療は行っておりません。
  2. 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型含む)
  3. 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
  4. 急性末梢血管障害
    (1)重症の熱傷又は凍傷
    (2)広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
    (3)コンパートメント症候群又は圧挫創症候群
  5. 脳梗塞
  6. 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
  7. 腸閉塞
  8. 網膜動脈閉塞症
  9. 突発性難聴
  10. 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  11. 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  12. 皮膚移植
  13. 脊髄神経疾患
  14. 骨髄炎又は放射線障害
  15. スモン

高気圧酸素治療の流れ

  1. 専用の治療着(綿100%素材)に着替えます。
  2. 担当技士・看護師が症状の確認と所持品・衣類のチェックを行います。
  3. 担当技士より症状の確認、治療の説明、耳抜きの説明を行います。(血圧計・心電計を取り付けさせて頂きます。)
  4. 治療装置内へ入り、治療を始めます。
    ※治療時間は大気圧から治療気圧に上げるため10~15分間、治療気圧60分間、治療気圧から大気圧へ戻すために10~15分間、合計で約1時間30分を要します。
  5. 治療終了後、血圧・心電図の確認と副作用(頭痛、歯痛、吐気、耳鳴り)がないことを確認します。

☆治療は、装置の中で治療時間を過ごして頂くだけで受けることができます。テレビを見ながら受けていただくこともできます。

☆治療中は、装置に備え付けのマイクで担当技士と会話することができます。


治療中の様子

安全な高気圧酸素治療に向けて

次のような方は治療を受けることができないことがありますので、担当医にご相談下さい。また、担当技士にあらかじめお知らせ下さい。

  • 風邪を引いて耳抜きができないとき(鼻がつまったり、鼻水が出ているとき)
  • 耳や鼻に病気があるとき(中耳炎や蓄膿症、副鼻腔炎など)
  • おなかの具合が悪いとき(下痢など)
  • ペースメーカーを使用されているとき
  • 閉所恐怖症など、狭いところが苦手な方
  • 血圧が高くて気分が悪いとき
  • 妊娠中の方
  • ぜんそく発作中の方
  • 肺疾患のある方

安全な治療を行うために、次のような所持品は持ち込めません。

  • 静電気の起きやすい衣類(綿100%素材以外のもの)
  • マッチ、ライター、たばこ などの火の気のもの
  • 白金カイロ、使い捨てカイロ などの熱を発生するもの
  • 補聴器、携帯ラジオ、音楽プレーヤー、携帯電話、万歩計などの電気製品
  • 腕時計、ポールペン、万年筆、体温計 などの密閉されたもの
  • メガネ、コンタクトレンズ、入れ歯、ネックレス、ピアス、指輪、ヘアピンなど
  • 雑誌、本などの可燃物

※整髪料・化粧品や油脂製品等を使用している場合は、治療を行う前に落として頂きます。

治療装置の日常点検体制について

高気圧酸素治療に使用する装置は、臨床工学技士が保守点検を行っております。患者様の治療を開始する前に、装置の試運転(外観点検・加圧減圧試験)を行い、治療装置の安全性を確認しています。